10日になれば前祭の山鉾が建ち始め雰囲気だけじゃなく街の様子がすっかり祇園祭。
月鉾では7月10日から建て始め。一部金属で補強してあるものの材木と藁縄で炭素繊維、セルロースな櫓を組んで行く。
月鉾だけじゃなく、四条通で函谷鉾、長刀鉾も一斉に建て始め。交通規制が始まって祭に無関係な人も巻き込んで進行する。
今年は建たない山鉾がいくつもあって、鉾の辻の一角、室町四条上ルの菊水鉾も建たず静かなまま。
7月11日には各鉾で真木建て。函谷鉾では四条通を完全に塞ぐ長~い真木を搬出。
山鉾縦のクライマックスは月鉾の真木建てだろう。各鉾ではウインチを使って真木を建てるが、その指揮官たる音頭取りが櫓に上がって扇子で合図する。よ~よぅ~ぃ、え~んや~ら~や~ぁ!
無事真木が建つとギャラリーから拍手が起きる。例年ならこの後、鏡開きの振る舞い酒と祝餅ご配られるんだが今年は無し。酒は兎も角、月鉾の升はいい記念になるんよね。
真木が建てば懸装品を取り付けて山鉾は最終形に。ちまきなどの授与品の販売も始まる。山鉾拝観券ごあれば山鉾に搭乗出来るんだが、今年はどの山鉾も搭乗禁止。なのでちまきに付いている拝観券は来年も有効。遠い約束。
いつもはお土産屋さんになっている八坂神社の四条御旅所もちまきの授与所に。17日の神幸祭以降は一週間神様が滞在する本来の姿に変わります。
二階囃子、宵山囃子も始まる。いよいよお祭りの雰囲気が盛り上がり。
二階の様子が垣間見える。
駒形提灯には灯を入れない申し合わせなので山鉾上でのお囃子演奏は昼間だけ。
鉾の上も密回避で囃子方の人数は少な目。笛方も飛沫を飛ばさないよう苦肉の策?
延命された長刀鉾の大ちまきと長刀鉾のツーショット。
月に月。
あちこちの山鉾で授与品にマスクが登場しているのはご時世な。各山鉾で個性を出したデザインを競っているが、月鉾か一番可愛いかな。その月鉾マスクの使用例。
山鉾が巡行しない代わりに街を清めるのが榊徒歩巡行。山鉾に見立てた榊を持った山鉾の代表者が四条烏丸から四条御旅所まで練り歩く。去年も行われた行事だが、今年は山鉾が立ってる横を巡行する。出発に先立って長刀鉾の音頭取りが掛け声で送り出す。よぅ~よぅ~ぃ、え~んやらや~~!
祇園會の幟を先頭に榊を持った山鉾の代表者とくじを持った正使が行列。
四条堺町ではくじ改め、の代わりに無言で奉行役の京都市長にくじを渡すくじ渡し。黙くじ。
四条御旅所に到着したら、八坂神社を遙拝して参拝。参拝し終わった山鉾から順次解散。あっさり終了。
これで前祭は終わった。と、思ったら…。突如、長刀鉾が動き出した。巡行はおろか曳き初めはしないと言う申し合わせだった筈なのに。ま、うごかしたのは数メートルだけ。掛け声も「せーの!」だし。
と言うわけで前祭が終わったので山鉾は即解体。巡行こそしてないけれど、山鉾は神様の渡御に先立って氏子町内の穢れを払うのが役割。巡行が終わった山鉾は掃除機のパック同様穢れまみれなので解体してしまうのが流儀。本当は燃やすか川に流しないところなのかも。
これで神様にお出ましいただく準備万端整った。